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コノドント動物の正体解明か?
−「コノドント」に関する最新情報−

「コノドント」は、一般には聞きなれない言葉でしたが、大間々博物館の愛称となってから、少しずつ知られてきているようです。今回は、このコノドントについての最新情報を紹介することにしましょう。

<謎の生物化石>
コノドントは、6億年前(古生代カンブリア紀初頭)から1億8千万年前(中生代三畳紀の終わり)の岩石に含まれている1ミリにも満たない微化石で、19世紀の中ごろに旧ロシアの博物学者パンダーによって世界で最初に発見されました。クシの歯やヤギの角に似た奇妙な形の化石を、発見者は所属不明の魚の歯と考え、円すい状の歯を意味する「コノドント」と命名しました。その後1958年(昭和33年)になると、日本でも大間々町の林信悟さんによりコノドント化石が発見されます。

パンダーの発見以来コノドントの解釈は定まらず、研究者によって十人十色の状況が続きます。こうしたなか、1969年(昭和44年)にコノドント動物発見のニュースが世界中に流れました。発見者はミシガン大学のメルトンとスコットで、北米モンタナ州の石炭紀の石灰岩層から、コノドントを体内にもつ6センチほどの海生動物の化石を発見し、これこそがコノドント動物であると発表したのです。コノドントは、海水と一緒に飲み込んだ食物をこし取る器官だと考えられました。しかしこの化石に対して、「コノドント動物を補食した生物にすぎない」との強力な反論が加えられ、コノドントの正体解明は振り出しに戻ってしまいました。

<新発見のコノドント動物>
メルトンなどの説が崩された後、1983年(昭和58年)にイギリスのブリグスによって、スコットランドの石炭紀の砂岩層から、コノドント器官を頭部にもつ体長4センチほどの動物化石が発見され、これこそコノドント動物であろうと言われました。

「コノドント動物の復元図」
(原図:M.A.パーネル 改写:福田芳生)

その後、つい最近の1993年(平成5年)になって、ブリグス博士の発見した標本よりも、はるかに保存状態の良いコノドント動物の化石が続々と発見されました。それら10個体の化石のほとんどにコノドント器官が存在し、その丸みを帯びた頭部には2個の眼、ある個体では聴覚器やエラの痕跡さえありました。また脊索のあることや、身体がV字形をした筋節によって構成されていることも分かりました。コノドント動物は原始的な脊椎動物の一種(人間など脊椎動物の直系祖先)ではないか、という意見が強まっているようです。 

図はパーネルという研究者が発表した海中を泳ぐコノドント動物の復元図です。

<コノドント器官の機能>
コノドント動物が死ぬとコノドント器官は分解するため、バラバラの状態で台状やクシ状、角状のコノドント化石が発見されます。しかし、ごくまれに生きていたままの配列で発見されることもありました。そうした化石によって復元すると、口の前方に並んだクシ状コノドントで口の中に取り込んだ食物を選別し、ついで後方に配置された台状のコノドントによってすりつぶしてから消化器官(胃)に送ったと考えられています。

コノドント動物は、太古の海で甲殻類や貝類などの幼生を補食していたと考えられています。最近、体長40センチにも達する超大種が発見されたそうですが、その筋肉組織はヤツメウナギのものに類似しているとのことです。

以上の内容は、福田芳生さんのレポートを参考にしました。

今回一部を紹介したように、人類を含めた地球生命の進化の歴史を知る上で、コノドントは大変重要な位置を占めています。コノドント館も規模は大きくありませんが、志は高くもち、博物館活動を進めていきたいと思っています。

Script:竹内/広報おおままNo.274(平成8年9月)




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