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謎の珍獣ハクビシン |
−自然の宝庫「足尾山地」− |
「またハクビシンが見つかったぞ!これで2匹目だな」と、出勤時間を待っていたかのようにホットニュースが飛び込んできました。
<珍獣最初の発見>
ハクビシンは漢字で「白鼻心」と書き、顔の真ん中に鼻筋を描いたような明瞭(めいりょう)な白線があることから、この名が付けられています。
東南アジアに広く分布していますが、日本でもまれに発見されるため、輸入されたものが増えたとする帰化動物説と日本在来のものとする説があり、戦後それぞれを支持する動物学者の間で論争があったということです。しかし今日に至っても結論は出ておらず、謎は消えていません。このように、ハクビシンは日本では一般にあまりなじみのない動物です。しかも群馬県の場合、1982年ころまでは県北部の利根郡水上町での発見例が唯一の確実なもので、東毛地区では桐生市の広沢にある南公園に現れたことがあるだけでした。
珍獣をめぐるこうした状況の中で、大間々で最初の「ハクビシン発見」の報が入ったのは、コノドント館のオープンを来春にひかえた年の暮れのことでした。発見された場所は国道122号線で福岡大橋の信号を足尾方面に150メートルほど進んだところで、既に死んでいたそうです。
知らせを受けた町の教育委員会では、ハクビシンをはく製として蘇(よみがえ)らせることで、このような貴重な動物が生きている大間々の自然をみんなで大切にするシンボルとなればと考えました。こうして県の自然保護対策室や林業事務所の許可も得られ、館のオープンにあわせて展示することができました。
「これがハクビシンだってさ、かわいい顔してるね」と、そのときのハクビシンは、今も愛らしい姿で来館者の関心を集めています。
<最近のハクビシン情報>
大間々で2匹目のハクビシンが発見されたのは、その後3年近く経った先日(1990年9月)のことでした。発見した上神梅の神沢一郎さんの話によると、場所はやはり国道122号線で、神梅の歩道橋の下だったそうです。また、現場で立ち会っていた町誌編さん室の話などを総合すると、雄で頭部にかなり損傷があったとのことです。
最近、ハクビシンが人家で子育てをしているという他県のニュースが報じられ、これまででは考えられないことと話題になったことがありました。また、県内でもコノドント館の展示と前後して太田市や甘楽郡南牧村で発見されたほか、1989年には大間々と同じ足尾山地に属する黒保根村と勢多郡東村でも、あいついで発見されています。確かに、近年ハクビシンの社会にも何か異変が起きつつあるようです。
ハクビシンはジャコウネコ科に属し、雑食性でミカンやカキなどの果物を特に好むほか、ネズミや昆虫・カニなども食べます。すみかは岩穴や樹洞で夜行性です。これまでの発見例では、車にはねられていたものがほとんどでした。これもその習性から、夜になって餌(えさ)を求め道路に出てきたところを事故にあっているのでしょう。
警戒心の強い野生動物が、なぜ人里近くに姿を見せるようになったのでしょうか。個体数の増加やハクビシンに対する関心の高まりで発見例が増えた結果ならばまだしも、自然環境の悪化が原因となると問題です。
私たちには、大間々の豊かな自然を子孫に伝えていく義務があるのですから。 |
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Script:竹内/広報おおままNo.203(平成2年10月) |
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