ながめ余興場
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ながめ余興場 |
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ながめ余興場内部 |
ながめ余興場は、昭和12(1937)年に竣工した木造二階建の劇場建築である。形式は切妻造り妻入りと称されるもので、建物正面の中央に唐破風(からはふ)を付けて客の入場口とし、その左右には千鳥破風を付けるなど、劇場らしい変化に富んだ意匠を施している。
余興場の内部構造で特筆すべきは、人が手で回す伝統的な「回り舞台」が備えられていることである。この機構はヨーロッパに先駆けること約150年前、江戸時代の中頃に日本で発明され、明治以後、外国の舞台機構にも大きな影響を与えたとされているものである。
更に内部をみると、板張り床の上にゴザを敷いた桟敷席や花道、舞台裏の楽屋、二階舞台側に窓を開いた座長室なども残されており、現在でも華やかだった時代に立ち戻ることが出来る。
太平洋戦争後、日本的な劇場建築は次々と姿を消しており、群馬県内ではこの建物が唯一、全国的にみても数えるほどしか残されていない。こうしたことから、手回しによる回り舞台をもつ「ながめ余興場」は、演劇史上や建築史上からも極めて貴重なものとなっている。
このながめ余興場は、平成2年、旧大間々町の名義となった後に、平成9年には大改修が施された。現在は往年の姿を残しつつ、現代に甦った芝居小屋として、一般の方々が見学できるほか、各種事業や興行等に広く利用されている。
概要
指定区分
みどり市指定重要文化財(建造物)
指定年月日
平成7年3月25日
所在地
みどり市大間々町大間々1635
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2018年 8月 9日更新