普門寺の地蔵菩薩坐像

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ページ番号1002448  更新日 2024年1月5日

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本像は凝灰岩に半肉彫りを施した地蔵菩薩坐像である。

地元の言い伝えでは、石灰岩をヤマイモと泥で練ってつくったといい「トロ薬師」とよばていた。

あるいは、かつては病気やけがをしたときに像の幹部にあたるばしょににトコロ(正式な和名はヤマイモ科ヤマイモ属のつる性多年草のオニドコロ)の根をすりつぶしたものを塗ると痛みが取れるとされたことから、「トコロ薬師」とも呼ばれたという。

地元では薬師様として信仰されたが、左手に宝珠を持ち、右手は施無畏印を結ぶこと、髪が螺髪になっていないこと、袈裟を着ていることから、本来は地蔵菩薩として製作されたと考えられる。江戸時代には凝灰岩の五輪塔とともに薬師堂に安置されたが、明治時代に薬師堂が廃されたときに普門寺に遷された。

また、昭和38年に薬師堂の本堂が火災に遭ったときに熱により表皮の一部が剥落した。また、火災以前に左手と宝珠、そして光背の一部が欠けたが、その他の保存状態は良好である。

本像は緻密質の凝灰岩を石材としており、笠懸町西鹿田の天神山産の凝灰岩でつくられた可能性が高い。天神山凝灰岩の石造物は、旧新田郡の一円や遠くは神奈川県まで分布していることが知られるが、本像は天神山業界岩石造物の渡良瀬川右岸地域の北限のひとつとなっており、鎌倉・南北朝期の地蔵信仰の普及や中世新田荘の経済活動を知る上で重要である。

総高:64.5cm
像高:50.4cm
材質:凝灰岩
形式:半肉彫坐像

写真:ふもんじのじぞうぼさつぞう

概要

指定区分

みどり市指定重要文化財

指定日

平成23年4月23日

所在地

群馬県みどり市東町花輪中野

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