防空監視哨跡

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ページ番号1002534  更新日 2024年1月5日

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写真:防空監視哨跡

沿革

東町花輪の防空監視哨(ぼうくうかんししょう)は、昭和17年(1942)に建造されました。その前身は、昭和12年(1937年)の防空法施行により、翌昭和13年頃設置された東町花輪の祥禅寺山門横の高さ約5メートルの木製望楼といわれています。

昭和16年になると、対空監視強化のため防空監視隊令が公布され、群馬県は防空計画を策定し、監視総本部を県庁に、防空監視隊本部を前橋・高崎・渋川にそれぞれ設置しました。そして、その下部組織として、県内に39箇所または44箇所の防空監視哨を設け、哨長以下数十名の哨員により監視を行うことになりました。

花輪の防空監視哨は、前橋の防空監視隊本部管下の10箇所の監視哨の1つとして造られたものです。ほかの前橋の防空監視隊本部の監視哨は、前橋・伊勢崎・大胡・桐生(笠懸町阿左美)・境・佐波東・太田・尾島・館林に造られました。

終戦後、多くの防空監視哨はその役割を終えて取り壊されましたが、旧勢多郡東村では、戦後50年を記念し、再び戦争の惨禍を繰り返すまいとの願いから、戦時中に残された唯一の軍事施設跡としてこの防空監視哨を村指定の重要文化財(建造物)にしました。防空監視哨は、市内では笠懸町阿左美(現在の東邦病院付近)にもつくられましたが戦後取り壊されました。

防空監視哨での業務

花輪の防空監視哨では、哨長1人、副哨長5人、哨員30人の合計36人が勤務し、5班が24時間体制(夕方5時~翌日5時まで)で、2人1組で1時間交代で警戒に当ったといわれています。1人が聴音壕の周りを歩きながら空からの爆音及び敵機を確認し、下にいる通信士に連絡、通信士が前橋の監視隊本部へ報告しました。また、隊員は、音で戦闘機や爆撃機等の区別をつけ、飛行機の形を見てその飛行機の機種を正確に報告するための勉強をしていました。

哨員は尋常高等小学校高等科2年の卒業者の中から聴覚と視力のよい人が選ばれたといわれています。機種の判別は手引き書を利用し、音による機種の判別は経験に頼るほかはありませんでしたが、慣れてくるとほぼ的中したといいます。なお、旧勢多郡東村には防空監視を記載した日誌が1冊現存しており、本監視哨の日誌の可能性も考えられます。

構造

花輪の防空監視哨は、地下式のコンクリート製の簡易集音壕(かんいしゅうおんごう)と詰所からなっていましたが、現在は簡易集音壕のみ残されています。

集音壕は、直径4メートルほどのコンクリート製で、上部は集音しやすいようにラッパ状に開いています。また、集音壕の上には何本かの柱で建て茅葺きの上屋があったといわれています。

見学にあたって

現地は、みどり市役所東支所の東方約180メートルの場所に位置しています。駐車場は、支所東側の職員駐車場を利用することができます。現地は水田に面しているため、車両では入れません。

写真:防空監視哨案内写真1

写真:防空監視哨案内写真2

写真:防空監視哨案内写真3


写真:防空監視哨案内写真4

写真:防空監視哨案内写真5

※見学にあたっては耕作のご迷惑にならないようお願いします。


支所前の市道を東に約180メートル進むと「防空監視哨」の案内板がある交差点があります。防空監視哨はこの交差点よりも一段高い場所にあるため、交差点を北に曲がり、道路が水田に擦りつく場所から、田を回り込むようにして現地に向かいます。なお、見学にあたっては耕作のご迷惑にならないようお願いします。

指定区分

みどり市指定重要文化財(建造物)

指定年月日

平成7年12月26日

所在地

群馬県みどり市東町花輪325-1

地図情報

地図

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このページに関するお問い合わせ

教育部 文化財課
〒379-2311 群馬県みどり市笠懸町阿左美1790番地1
電話:0277-76-1933
お問い合わせフォームは専用フォームをご利用ください。