木造虚空蔵菩薩像

南北朝時代の延文3年(1358)に作られた桧の寄木造の虚空蔵菩薩坐像である。制作当初は、右手を膝の前で下に垂らす与願印を結び、左手には宝珠を持っていたが、右手と左手が失われたことにより、昭和初めの補修で宝剣と宝珠をもつようになった。
像の胎内及び底部に墨書銘がある。
胎内銘は「上野国園田須長穴原村内 松風山円蔵寺前已山比丘 梵字(バン・ウン・タラーク・キリーク・アク)覆興花尊 延文三年戌八月十三日」、底部は「以大円[ ]居平等性智 或以膝黍布 厳飾作仏像 如是諸人等 皆已成仏道 襄謨阿迦捨掲婆耶菴阿利迦摩利迦摩利慕利婆婆賀 住僧義伝首座」と墨書されている。
胎内銘により、穴原(現大間々町塩原の一部)にあった円蔵寺の前住職である已山比丘らが造立したものと分かる。梵字は大日・阿閃・宝生・阿弥陀不空成就を示し、金剛界五仏(五智如来)を表現している。
底部には造立目的が記され、ウルシを塗り、布を貼って荘厳な仏様を作り、すべての人が仏道で成就することを願ったものである。地名の[園田須長穴原村]は園田氏の本貫地である園田庄内の須長御厨の中の穴原村という意味である。このことから、大間々町塩原が中世には、渡良瀬川右岸の須永御厨の一部になっていたことが分かる。
概要
指定区分
群馬県指定重要文化財
指定年月日
平成15年3月25日指定
所在地
群馬県みどり市大間々町塩沢甲203
地図情報
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