庚申塔及び大日如来像

「庚申塔」と通称されている大間々町浅原の天神前地内の2基の石造物は、重制石幢(じゅうせいせきどう)の一種で一方は輪廻車孔(りんねしゃこう)付きである。銘文があり「奉造立六地蔵庚申供養朝原村本願弥左衛門人数四十七人也干時元亀二二(四)年癸酉八月吉日」と刻まれている。元亀4年(1573)に浅原村の弥左衛門以下47人の村人が庚申供養のために結集して造塔したものである。弥左衛門は、当時の深沢家の祖といわれており、彼を中心にして村の農民たちが宗教を媒介に結束している様子がうかがえる。
庚申信仰は、道教から出てきた信仰で戦国期以降急速に広まっていく。元亀4年という年代は群馬県内でも最も早い時期の造塔である。それだけに貴重な文化財といえる。同所には、もうひとつ重制石幢があり、対をなしているが重制石幢には輪廻車孔はついていない。
中央には、寛永6年(1629)に造立された智拳印を結ぶ丸彫りの大日如来像が安置されている。銘文には「鏡海(きょうかい)上人囗囗大小旦那衆 奉造立大日如来尊囗囗現當二世処也 干時寛永六己巳今月日敬囗」と刻まれている。鏡海上人という僧を中心に大小旦那衆(当時の浅原村の農民たち)が結集して、村が末永く繁栄することを願って造立したものである。当時の朝原村の村民たちの信仰心と結束の固さがこの大日如来像の造立でも見られる。従来は庚申塔及び大日如来像は別個の目的で造立されたものが、後にあたかも一組で作られたかのようにまとめられた。
概要
指定区分
みどり市指定重要文化財(石造物)
指定年月日
昭和51年5月12日
所在地
群馬県みどり市大間々町浅原1310(馬場通称アミダ)
地図情報
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